【実話】あの日の夜の営みを赤裸々に告白する。
基本料金を支払い、薄暗い奥の部屋へ。
最近は忙しく、足が遠かったのだが、久々に来てみるとやはり緊張するものだ。
椅子に腰かけ、今か今かとそのときを待っていた。
「ガチャ…」
その扉の音が僕の体をより一層硬直させる。
いよいよか…楽しみだな///
「それでは、今から映画を上映致します。」
どーも、みづきです。
突然なんですけど、皆さん映画は好きですか?
僕は正月に五日間連続で映画を観るくらいに映画LOVERです。
ド派手なアクションを繰り広げられる洋画はもちろんのこと、シュールで笑える邦画もよく観ます。
僕がどれだけ映画に精通しているかを説明すると、僕を含めたその辺の大学生10人捕まえて「一番好きな映画は?」と質問をした場合、大学生Aが「やっぱ”アベンジャーズ”!」、大学生Bが「”グレイテストショーマン”でしょ!」と答える最中、「…フンっ」と小馬鹿にするような不敵な笑みを浮かべ、「”鑑定士と顔のない依頼人”かな。」と映画通ぶってドヤ顔を決めたくなるくらいには映画を観ます。
しかし、ふと考えてみると、普段観る映画にはどうしても偏りがあるではないか。
もう21歳にもなるので、アンパンマンやポケモンはまず観ませんし、売れてるアイドルとゴリ押しジャニーズのコラボレーションは胃もたれします。かといって、ホラー映画を観るほど肝が据わってないですし、アニメも食わず嫌いしています。
実際のところ限られてたカテゴリーの映画しか観ていないんですよね。観るのはせいぜいアクション映画やサスペンス映画、それとあとAV。
このままだと、偏った価値観と性癖が形成されてしまう。
そんなとき、あるイベントに行ってきました。
そのイベントが、
BORDERLESS NIGHT
社会問題の解決に取り組む社会起業家集団・株式会社ボーダレスジャパンが、社会問題に関するドキュメンタリー映画を東京・大阪・福岡で毎月上映しています。
トークショーもセットになっているため、一人で観るよりも深く問題を知ることができる一石二鳥のイベント。
普段なら家に帰って自由な時間を過ごす平日の夜。そんな夜を月に一度だけ、「社会問題を知る夜」にしてみませんか?という何ともステキな謳い文句にまんまとそそのかされた僕は、自分の偏った価値観と性癖をぶっ壊すべく、先日このイベントに参加してきました。
そして、今月福岡で上映されていたのがこちらの映画。
『僕が帰る場所』
本作は在日ミャンマー人一家の物語。狭いアパートでの家族の生活が映し出されるなかで、「移民」として彼らが直面する問題が描かれてゆく。現在、日本で難民申請した人が難民認定される割合は0.4%。世界的な関心事項でもある”移民“という題材を、ミャンマーでの民主化の流れや在日外国人の家族を取り巻く社会を背景に描く。
ミャンマー人一家が直面する”理不尽な世界”と長男の”やるせない葛藤”が描かれています。
特に印象的だったのは、『帰る』に対する認識の違い。
難民申請が一向に認定されず、いつ捕まるか分からないという不安から「ミャンマーに帰りたい。」と弱音を漏らす母と、「今は帰れない。」と反対する父。それでも母はその反対を押し切って子どもたちを連れてミャンマーに帰ることにしました。
しかし、日本の生活水準とミャンマーという不慣れな環境に戸惑いを覚え、日々退屈な生活を送る長男は「日本に帰りたい。」と愚痴をこぼします。
このシーンにおける『帰る』とは、母にとっては『心的なストレスから逃れること』であり、子どもにとっては『日常に戻ること』だと、僕は感じました。
でもここで、母は『帰る』という意思決定をしたわけですよ。
ちょとまてちょとまてお母さん。子どもの気持ちは置き去りですのん。とはいえ、ストレスを感じて生活を続ける苦悩も確かに分からなくもない。じゃあ子どもを置いてお母さんだけ帰ろうもんなら、一体誰が子供の世話すんねん。難民認定法に則ると現行の制度では難民認定は難しいが、いつまでたってもその制度は改善されないし。嗚呼、無常。
今回のテーマは難民問題でしたが、このような問題が身の回りに溢れていると思います。
子どもの事情とは関係なしに、社会は動き、大人たちは大人たちの理屈によって子ども達は否応もなく生きている。誰しもが幼いころに体験したであろう「自分のせいではない」ことによって起こる環境の変化。理解できない現状や行き場のない不安、苛立ちを感じる期間を経て、現実を逃避するのか、現実を克服していくのか、僕たちはいつの間にか、いつの日からかそれらを受け入れ人生を歩んでいく。
そりゃー、凝り固まるよ。価値観も性癖も。
だからこそ、まず社会はどうなっていて、どういう問題が発生していて、どういう取り組みが行われているかを知る。そうすることで目の前に迫りくる現実を受け入れ、立ち向かっていくことができるのではなかろうか。ねーそうだろう、ねーそうだろーおーおー。
※こんな 大熊葵月に記事を書かせてやりたい...!という慈悲深い方はDMを頂けると幸いです。